あなたには紳士・淑女の素養があります｡大辞泉によると、紳士とは「上品で礼儀正しく、教養の高いりっぱな男性」のことで、淑女とは「しとやかで上品な女性｡品格の高い女性」となっています｡日ごろ上品に振る舞っている人は多いのですが、ほとんどの人はいざとなると化けの皮がはがれてしまうもの｡しかし、あなたはどんなときでも、紳士・淑女的な態度を崩しません｡それは、あなたが骨の髄まで紳士・淑女が浸透した本物だからでしょう｡あなたなら沈みゆくタイタニックの船上でも、上品で礼儀正しく、優雅に振る舞うことができるでしょう｡なかなかできることではなく、大変立派なのですが、タイタニックでそれをやると、救命ボートから取り残され、海の藻屑となってしまいます｡同様に日常生活でも、紳士・淑女的に振る舞ったがために、思わぬ損をすることがあります｡それを宿命と受けとめることができるなら、あなたは真の紳士・淑女です｡

あなたは紳士・淑女的な振る舞いを好む人のようですね｡とっても品格がある人で、どんなときでも礼儀を忘れません｡あなたなら、名のある貴族の晩餐会に招かれても、その場にぴったりフィットするでしょう｡しかし、現代の日本で、いつも紳士・淑女的に振る舞うのは無理があります｡たとえばバーゲン会場で商品を漁る下々の人たちに、「お先にどうぞ｡おほほほ…」なんて態度をとっていたら、めぼしい品はあっという間になくなってしまいます｡本物の紳士・淑女はバーゲンなんかに行かないような気もしますが、世知辛い現代日本において、「早い者勝ち」的な場面に出くわすことは多々あります｡そんなときは、紳士・淑女の仮面をはぎとって、本性むきだしで参戦するのも悪くありません｡空気を呼んで、紳士・淑女を使い分けることをおすすめします｡

あなたは紳士・淑女的な振る舞いができる人ですが、それが長続きしないことが多いでしょう｡海に散った豪華客船タイタニックに乗船していたら、最初は「少し揺れますな｡ワインの酔いが回っていい｡ははっ」なんて余裕をぶっこいていても、いざ沈没するとなった瞬間、人を押しのけて救命ボートに乗り込むタイプです｡なんだかサイテーな振る舞いですが、生き残ることを第一に考えれば、それほど非難できない行為でもあります｡状況に応じて態度を使い分けていることにほかならず、このタイプは人生で成功することも多いのです｡¥n歴史を見ても、紳士・淑女的な態度を最後まで崩さなかったがために、最終的に没落した名家は掃いて捨てるほどあります｡後世に名を継ぐことができるのは、非常事態になりふり構わぬ行動をとれるか否かにかかっています｡そう考えると、「余裕のあるときだけ紳士・淑女」というのは、非常に合理的なのかもしれませんね｡

あなたには紳士・淑女的な要素は全然ありません｡とても正直な人で、「品格」とか「礼儀」といった建前を気にしない強さがあります｡世の中、紳士・淑女的に振る舞っている人はたくさんいますが、みんな本性の上に見栄えする建前を塗りたくっているに過ぎません｡そういった意味では、最初から本性丸出しのあなたは、ある意味いさぎよいともいえるでしょう｡ただ、人間生きていくうえで、どうしても紳士・淑女的な振る舞いが要求されるシーンも出てきます｡お葬式で、別に悲しくなくても黒い服を着て、しめやかな態度を示すように、社会に生きていくうえでTPOに応じた振る舞いは大切です｡自分の信念と違う態度をとることに抵抗を感じるかもしれませんが、「お葬式と同じだ」と考えれば、その場だけ紳士・淑女的に振る舞うことが平気になります｡ざっくばらんな態度と、よそゆきの態度をうまく使い分ければ、生き方に幅が出てくると思いますよ｡